BACK 朝のケネディーパーク

 
外は明るく暑くも寒くもないいい秋である。ポロシャツ、ジ−パンがいい。 11時過ぎウイリアムズ通りは朝より賑やかだ。昼食を帆船で食べることにした。一階の専門店は昨日見たので二階に上がった。通りの両側に陶器や服、バッグ店の専門店が並んでいる。奥右側は「自然光」で明るい。ガラス張り天井から陽光が直接入ってきている。その下がレストラン帆船だ。外側に転落防止の手すりが付いている。下にレストラン帆船が見えている。今日もテ−ブルでお客さんが楽しいひと時を過ごしている。左側が大きな雑貨ス−パ−で、その真下(1F)が昨日夜食を買った食品スーパーだ。靴下の予備を買うことにした。品物は豊富で2足セットが多い。「高級・綿靴下・サイズ・9−11」と表示されている。店員さんは各コ−ナ−に一人いるぐらいだ。 足首に赤色の小さい菱形がデザインされてる。2足セットで3ポンドを支払って店を出た。その奥が通路になっている。右側に大きな店が一軒ある。店中におもちゃが並んでいるが客が一人もいない。よく見ると、「普通のおもちゃ屋さん」ではない。小さい子供が、遊びながら数字や言葉が覚えられるカ−ド等だ。教育ママの店で「早期学習」と書かれている。その店の横から1階に降りる階段がある。下りると帆船の横に出てきた。ス−プやコ−ヒの良い香りがしてくる。ここで、食べようと思っていたのだが魚やのおっちゃんとの「昨日の約束」を思い出した。空腹を「グッ」と押さえて昨日の食品ス−パ−に入った。昼はここで食料を買い込み、おっちゃんからは「スモ−クト鯖」を買い、ケネディーパークで食べる事にした。

                  
朝のケネディーパーク


 すっかり店せ慣れしたもので、サンドイッチとギネスビ−ルを買い奥の魚屋さんに行った。陳列にスモ−クト鯖、タラ、ニシンが美味しそうな茶色の光沢を放っている。半身でスモ−クトされている。鯖は100g77円、ニシンが72円である。おっちゃんは「いらっしゃい。昨日のお兄さんだね」と、威勢のいい声をかけてきた。「スモ−クト鯖とニシンを一切れずつください」と言うと、「おいしいよ」と言って鯖とタラを別々のビニ−ル袋に入れてくれた。今日も3台のレジに、若い女性店員さんがいる。支払いを済ませアイルランド銀行の裏からケネディパ−クに向かった。ここは昨日「発見」した通路だ。銀行の静かなカウンタ−を見ながらビルの外に出た。 横断歩道を渡り公園に入って行った。入り口の端で3人の女学生(高校生)が、仲良さそうにフル−トの練習をしている。栗色の髪の小柄な女性ばかりだ。近寄って「上手ですね」とお世辞を言ってみたら、3人が顔を見合わせて「クス、クス」笑い出した。笑いながら「ありがとう」といたずらっぽく相手になってくれた。日本だったら、恐い顔をされるろう。この国の人々はみんな「人間の表情をしている」。スイフトが描いた理想の人々の国「フウイヌム」とは、本当は彼自身のこの国、アイルランドだったのであろうか。公園の中を歩いている人と、ベンチに座っている人の数を合わせても両手で数えられる。これが、アイルランド第3番目の都市の繁華街の中心なのである。彼女達の途切れ途切れのコンサ−トを、ベンチで聞きながら昼食を食べることにした。カンビ−ルの詮を開けると「プシュッ」と音を立てて薄黒い泡が出てきた。「コクッ、コクッ」と飲んでから、サンドイッチを食べた。次にスモ−クト鯖を食べた。鯖独特の臭さはないので鯖嫌いの人でも好きになるだろう。油の載ったスモ−クト鯖は最高の味でニシンもビ−ルに合う。